本と著者の情報
「私にはもう出版社はいらない~キンドル・POD・セルフパブリッシングでベストセラーを作る方法」アロン・シェパード著・佐々木俊尚特別寄稿・平林祥訳
なぜ読んだのか?芳岡幸枝さんのおススメから。
電子出版仲間の芳岡幸枝さんから「この本がすごいよ」と聞いて、早速読みました。この本の何がすごいかは、冒頭の佐々木俊尚さんの特別寄稿に全てが集約されていました。
アマゾンを使い倒して「どう自分の本を売るか」ということが書かれている
(同書P3から引用)
日本の出版業界は、出版社→取次営業→書店営業→献本や広告で本を売っている。電子出版するならば、伝統的な売り方の代わりに、amazonのサイトの仕組みをとことん利用すれば良いよ、ということ。まさに「使い倒して売る」に特化した内容でした。
2010年に日本で出版された本なので、おそらく10年ほど前のアメリカのamazon市場の話がベースになっていると思われますが、今読んでも色褪せていないです。2018年の現在は、電子出版のノウハウ本は数多く見かけるようになりましたが、売ることに関しては、マインドもテクニックも、この本が源流だなと感じました。2010年に電子出版やPODに着目されていた佐々木俊尚さん、すごいなと思いました。
本の内容をマインドマップにまとめました。
(1)amazonは、売るプロフェッショナル
amazonは、世界有数の売ることに特化したサイト。だからこそ、世界中から買い物しに人が集まる場所。kindleは、その仕組みを最大限活用できる電子書籍だということを再認識しました。冒頭の「amazonを使い倒す」価値は大いにある。
この本は、アメリカのamazonサイトをベースに書かれているので、すべての提案が使える訳ではないのですが、日本のamazonでも、「ランキング」「キーワード」「副題」「表紙」「著者ベージの機能活用(動画やイベント)」は十分活用の余地があると改めて思いました。日本の著者ページでは、プロフィールと写真のほか、イベントや動画を掲載できる機能があります(下の図)。アメリカのように、ブログをリンクさせる機能も追加されたら良いな。
特に驚いたのは、副題について。「副題は、長いほど良い。副題は作品の簡略な説明文であり、検索にヒットする語句を詰め込もう」という説明でした。私は、本のタイトルが短くて覚えやすくて良いと考えていたのですが、長い方が良いとは!
確かに、表紙の帯に説明を入れても、スマホで見ると読み込めないほどの小ささ。それならば、副題の方が、商品名に表示されるので、見る方が読みやすいんですね。副題で内容が伝われば、さらに関心を持ってもらえる可能性もありますし、「買ったけれど思ったものと違った」という残念な買い物を防ぐこともできます。(下の図は副題を入力する画面)
(2)企画にも売り上げチェックにもランキング
企画段階でベストセラーランキングに注目するということも、驚きでした。「自分がこれから書こうと思う分野は、ベストセラーランキングでは何位くらいに位置しているのか、調べる。分野そのものが上位になければ、自分が書いても売れる見込みが薄いと判断するまた、どんな本がベストセラー入りしているかを調べる。ベストセラー本と相補関係の本を出せば、ベストセラーに連動して売れる可能性が高まる」と紹介されていました。
企画段階からランキングチェックとは驚きました。既にベストセラーと相補関係の本を出すということは・・・例えば「半日で手軽に楽しめる登山」という本がベストセラーに入っているとします。それならば、「日帰り登山の装備ガイドブック」や「初めての登山に備えたセルフトレーニング」という本ならば、ベストセラーと一緒に購入されるかも?という発想です。
ベストセラーが表示されたときに「この商品を買った人はこんな商品も買っています」に表示してもらい、合わせ買いを狙う方法です。ベストセラーと競合や競争するのではなく、ベストセラー本に、自著の宣伝役になってもらうんですね!なるほどなと、唸りました。
この本を今後に活かす
まだまだ、できることは、たくさんある!に尽きます。電子出版の良さは、紙の本に比べて、手直しが簡単にできること、進化させられることです。このメリットを最大限活用しなければ!
既に出版した2冊については、本文を手直しする、リメイクする、紹介動画を掲載する、副題をつける、ベストセラーを確認するなど、挑戦したいと思います。
今後、出版したい本のアイディアもいくつかあるので、分野をリサーチして、相補関係になるような本づくりを企画したいです。色々やりたいことがあり過ぎて、頭も作業も追いつかないのが、もどかしい今日この頃です(笑)