電子書籍のノウハウ

「著者になる」ためのメンタルブロックの外しかた

2017年12月19日

出版へのハードルの1つは、メンタルブロック

「著者になりたい」「本を出したい」と思っている方は多数います。でも、全員が実行に移せる訳ではありません。私も実行に移せぬまま、長ーーい年月がかかりました。実行したいけれど、実行できないこと、その原因はメンタルブロックが大きかったです。文章が書けるとか、本にするネタがあるかどうかは、二の次でした。長期間実行に移せなかった私の、メンタルブロックがどうやって外れたかを、振り返ります。

出版の原体験

「本を出したい」と思うようになったのは、小学校4年生の体験からです。もう30年以上も温め続けてきた夢ということなのですね。トホホ(笑)

「地元自治体が創作童話のコンテストをやるから、応募したい人は書いて出すように」と、担任の先生から言われました。宿題ではなく、任意提出でしたから、遊び半分でちょこっと作文を書いて、提出したのです。しばらくして、先生から何度か文字や言い回しについて手直しが入り、「自由参加の割には、うるさいこと言うなあ」と思っていました。提出したのも忘れた3学期末に、先生から2cmほどの厚みがある冊子を手渡されました。読んでみると、巻末に私の名前と書いた創作童話が載っていました。

私の作文が、カッコよくなって載ってる!!

ビックリしました。先生から説明があり、自治体のコンテストで私の作品が最優秀賞に選ばれたこと、冊子は入選作品を文集にして製本したものだと分かりました。学校のプリントではなく、印刷屋さんが作った紙とインクのにおいがする本に、自分の名前と作品が載る喜びを、味わった瞬間でした。

ですが、その後は全く文学に興味を持つことはなく。夏休みの課題図書は飽きて読みきれない、読書感想文は書くのが嫌いで提出できない(笑)、文章を作る仕事にも一切興味を持たずに、大きくなりました。

とはいえ「夢を考える」とか「死ぬまでにやりたいこと」を考えると、なぜか必ず出てくるのが「本を出したい」というフレーズでした。山田詠美さん、中山庸子さん、林真理子さん、瀬戸内寂聴さんなど、女流作家さんがデビューしたエピソードはそれぞれに魅力的で、好んで読んでいました。「本を出したい」願望はあるけれど、言葉を出すのもはばかられるし、恥ずかしいし、具体的行動も起こせていない状態が、長く続きました。

目の前に著者が現れた!!

シニア産業カウンセラーの仲間、というより、尊敬する大先輩である松村一生さんと飲んでいた時です。松村さんがおもむろに1冊の本を取り出し「本を出したから、献本受け取ってね」と言われました。本のタイトルは「経営にカウンセリングを活かす インテグラル産業カウンセリング」でした。

ええーーーいつも一緒に飲んでいる目の前の酔っ払いが(笑)本を書いた著者?!

アルコールが回った頭で、理解するのに時間がかかりました。その場で飲んでいたカウンセラー仲間皆で出版のお祝いにと乾杯しました。私はビックリし過ぎて、”インテグラル”という意味も分からず、”統合的”という意味だよと教えてもらったことぐらいしか、記憶にありません。飲み過ぎて記憶がないのかも知れませんが(笑)出版するということは、労力もお金もかかる、すごいものだという印象が残りました。

それから数年たって、2015年2月、同じく産業カウンセラー仲間の川村佳子さんが「嫉妬のお作法」を出版されました。川村さんは、出版社に企画段階から関わるなど、自分から積極的に動いて出版を実現されました。著作にもとづくインタビューやテレビ出演など、出版を機に今まで以上に飛躍されています。

続いて2016年1月、友人の島崎敢さんが「心配学」を出版されました。出版直後から、TwitterやSNSで高評価が拡散するのが分かりました。その後著作がテレビなどで紹介され、話題の図書に選ばれたり、各種講演などで更に活躍されています。

身近な人が出版する、同年代が出版するという、体験が続き、出版という行為が身近に感じられるようになりました。著者から聞くだけですが、出版への流れ、出版社のしくみなども、ぼんやりと理解できるようになりました。

紙の本は出せない。でも、電子書籍なら出せる。

松村さん、川村さん、島崎さん、3人とも紙の本を出版されています。紙の本を出版するには、出版社が関わり、多額のお金がかかります。わが身を振り返ると、私が書ける原稿もないし、私が出せるお金もない・・・そう思っていたときに、勝間和代さんの講演を聞きました。

「今、ビジネスは、何でもできるんです。お金がなければクラウドファンディング、製造ラインが欲しいなら1個からでも作ってくれる。本は電子出版すれば、紙代も印刷代もかからない。できないことはない。あとは、やるか、やらないか、だけです。」

がーーーーん。

そう、出版したいなら、紙も印刷代もかからない方法がある。あとはやろうと思うだけ。電子出版やってみるかと思ったとき、周りに経験者がいました。工藤弥生さん中野有紀子さんです。

工藤弥生さんが電子出版したプロセスをレクチャーして下さいました。続いて、中野有紀子さんの「kindle本を出すにあたり大事なこと50」を読んで、具体的な作業を理解しました。著者の中野有紀子さんが、ちょうど電子出版するにあたってサポーターを募集されていたので、それに応募しました。実際どういう作業をしているのか、間近で感じることができました。料理本を見ながら予習した後、料理教室に行って、先生が料理するのを横で見ているような感じです。

あとは、自分で料理するだけ。中野有紀子さんはじめ、たくさんの方に応援してもらい、出来たのが「引っ越しで人生を変える」です。

ちなみに、電子出版に興味を持ってから、ネットで色々検索しましたが、それだけでは出版できませんでした。記事それぞれの、kindle出版体験や問題解決スキルは正しいのですが、kindleの仕組みが日進月歩で仕様が変わっていて、今使える情報でないことが多かったです。また、検索記事はピンポイントで問題解決するには良いのですが、作業の全体像やプロセスが分かりにくく、どれを信じれば良いのか迷って進みませんでした。

何を書くかは、書き始めて分かった。

何を書けるか、何を書いたら良いかも、大きなメンタルブロックでした。これは、書き始めて、解決しました。

実は「引っ越しで人生を変える」を書く前、プレゼンテーションスキルについて書こうと思い、目次を作っていたのです。けれども、目次も定まらない、著者の立ち位置も定まらない。ターゲットがあいまい、範囲が広すぎる、ゴールイメージが湧かない・・・グラグラした目次だと、本文が書き進められませんでした。

今振り返ると、もっと範囲を狭く、ターゲットを絞れば良かったと思います。プレゼンテーションスキル全般ではなく、私が書ける「80歳以上の女性に話を聞いてもらう技術」とか「ボランティアスタッフに効く一言」などです。

プレゼンテーションスキルの本が進まないなと悩んでいた時に、引っ越しすることが決まり「そうだ、これを書いてみよう」と目次を立て始めたら、ビックリするくらい内容が浮かびました。引っ越しを題材にした本があるかどうかをネット検索したところ、他に似たような本はありませんでした。他にないなら、ニーズがあるかも知れないし、ニーズがないから本がないのかも知れないけど(笑)まずは書けるところまで書いてみよう、売れなくても誰にも迷惑が掛からない、出版という体験をしてみようと思い、構えずに書き始めました。

紙の本は、紙代も印刷代も回収しなければなりませんから、できるだけ多くの人に興味を持ってもらい、買ってもらいたいと、最大公約数的な内容になるのだそうです。反対に電子出版は、コストが低く、読者層も限定されているので、紙の本では出せないような、ニッチでマニアックな内容、ライトな分量に光が当たったりするのです。

何を書くかは「好きで・得意なこと」に限ります。著者が、書きたいこと、好きなこと、楽しいこと、時間を忘れていくらでも文章が湧いてくるような内容です。読者の読みやすさに最大限配慮しつつ、一生懸命売る努力も必要でしょうが、出版せずに色々考えて悩むよりは、まずは試しに10文字でも打ってみることをおススメしたいです。内容にニーズがあるかどうかは、お客様が決めることと割り切りました。そして、書き始めると、不思議なもので、どんどん次のアイディアが浮かんできます。私も次作の目次を作り始めました。

さて。一緒に出版してみませんか?マインドマップで人生を元気にする☆あびより。

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